singulum – LINE_075 – soundnote – hatenablog (Japan)

singulum_cover

LINE_075 | CD + Digital | limited edition of 400 | February 2016

France Jobinの新作が〈LINE〉からリリースされました。同レーベルからは2012年の『Valence』以来ですね。France Jobinはカナダはモントリオールのサウンド・アーティスト。研ぎ澄まされたミニマムな電子音響がその特徴です。i8u名義でも多数の作品をリリースしています。

「量子物理学にインスパイアされた」という本作は、これまで以上に澄んだ空気のように透明な音響に仕上がっていました。まさに音の彫刻。相変わらず徹底的にミニマムな音響が美しいです。とはいえ『Valence』よりが明確な反復感や展開があり、聴きやすいともいえます。そして、00年代以降のデジタル以降のミニマル美学の結晶のようなアルバムに仕上がっていました。いわば「デジタルアンビエント」として実に秀逸な作品なのです。さまざまな音にフィールドレコーディングにおる環境音がまじりあい、浮遊するような清潔で透明な音が生まれています。

制作は「アメリカ、ヨーロッパ、日本、スウェーデンEMSスタジオ」で行われ、「サージ、ブックラ200モジュラーシンセサイザー、ノード・モジュラー」などを使用しているそうです。

LINE〉は、今回、France Jobinと同時にTomas Phillipsのアルバムもリリースするなど、昨今では珍しく(?)なりつつあるデジタル以降の電子音響/サウンド・アート的な音響作品をリリースし続けており、自分のような嗜好性のリスナーにはとても貴重なレーベルです。昨年で15周年を迎え、この移り変わりの激しい電子音楽/音響界(?)では、いまや「老舗」ともいえるレーベルですが、今年のリリースにも期待が高まります。